アレルギーとは
アレルギーとは、ある特殊な物質に対して、身体が過剰に反応してしまうために起こる症状です。このとき原因となる物質を「アレルゲン」と呼びます。アレルギーに適切な対応をしていくためには、何がアレルゲンとなっているのかをよく見極めることが重要です。
アレルギーの原因物質「アレルゲン」
アレルゲンは、人によってさまざまです。それは一人ひとり顔かたちが違うように身体の中身も違うため、どの物質に過剰反応してしまうかも人によって異なるためです。卵やそばのアレルギーという人もいれば、水アレルギーなどという痛ましいアレルギーもあるそうです。以下に代表的なアレルギー症状と、そのアレルゲンをあげます。
- 花粉症・・・各種の花粉に含まれる物質
- (花粉症以外の)アレルギー性鼻炎・・・ホコリやダニの死骸など
- 食物アレルギー・・・卵、そばなど特定の食物
- 金属アレルギー・・・特定の金属
アレルギーへの対応法
まずはアレルゲンへの接触を減らすことがなんといっても重要です。花粉症であれば花粉の時期にはマスクをつけるようにしたり、ホコリやダニがアレルゲンとなっている場合には部屋の掃除をこまめに行うことが重要です。
特定の食べ物に対してアレルギーがあるようであればその食材を摂らないようにし、金属アレルギーであればその金属に触れないように(ピアスやネックレスなど)することが大切です。
その上で、早めに適切な治療を受けることが必要となってきます。治療が遅れると、その分、アレルギーへの反応がますます過敏になってくることもあります。また医師から処方された薬は、患者の症状の程度や体質などを考えて出されますので、医師からの指示をよく守るようにしましょう。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などのような漢方薬が治療に使われることもあります。
また規則正しい生活を送ることも重要な要素です。不規則な生活を送っていると、免疫バランスが崩れ、アレルギー症状を起こしやすくなります。十分な睡眠をとり、ストレスをためこまないようにすることがアレルギーへの対応の基本といえるでしょう。
アレルギーの起こるメカニズム
アレルギーは主に次の3段階によって起こります。遺伝的な要素が大きいですが、大量のアレルゲンにさらされていると、もともとアレルギー体質でない人でも発症することがあります。
第1段階:抗体がつくられる
遺伝的にアレルギーの素因をもっている人が、アレルゲンに何年も接触していると、アレルゲンに反応して体内に「抗体」と呼ばれる特殊なたんぱく質がつくられます。
抗体は、通常ならば病気のウィルスなどを退治する役割をもつものですが、それが本来ならば無害なアレルゲンに対して抗体ができてしまうと大変なのです。
アレルゲンと抗体との関係は、カギとかぎ穴の関係といわれるように、決まったもの同士が結合します。(抗原抗体反応)
第2段階:抗体がマスト細胞に付着
抗原抗体反応は、マスト細胞と呼ばれる細胞の表面で起こります。これが引き金となって、マスト細胞から炎症をひきおこすさまざまな物質(ヒスタミンなど)が放出されます。
第3段階:ヒスタミンなどがアレルギー症状を引き起こす
炎症をひきおこすヒスタミンなどが、身体の各部に作用してさまざまな症状があらわれます。
目や鼻の粘膜に作用すれば、涙や鼻水といった花粉症・アレルギー性鼻炎の症状が起こりますし、皮膚に作用すればかゆみをもたらしアレルギー性皮膚炎の症状を起こします。